カキタクナッタラ

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かつてそこで働いていた私が沖縄のコールセンターの離職率が高い的な記事を読んで思ったこと

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もう10年近く前になりますが、私はかつてコールセンター委託業の世界では有名な某企業の社員として働いていました。そして、その仕事の関係で沖縄のコールセンター立ち上げを手伝うために1年ほど沖縄に住んでいた経験があります。


つい最近のことですが、こんな記事を目にして懐かしさもあり、なかなか興味深く読ませてもらいました。

business.nikkeibp.co.jp


この記事では、沖縄のコールセンターは離職率が高く人手が足りなくて困っていると書かれているわけですが、確かに沖縄の人からすればバカバカしくなってしまうこともあるでしょうね…。

私が立ち上げに参画していたセンターは、この記事に書かれているように「賃金が安い」センターではなく、専門性の高いスキルを求められる業態のセンターだったので、他業種の仕事と比べても沖縄の中では賃金が高い部類の仕事でした。

しかし、沖縄のコールセンターって本土にある本社や支社から(特にセンター立ち上げ時には)助っ人として人員がアサインされることがよくあるのですが、その人たちはそのまま本土の賃金をもらっていたりするので、現地採用の人とは比べ物にならないほど給料をもらっていることになります。

当然、現地採用の人もそのことを知っているので、沖縄で頭角を現した現地採用の人からすれば、「自分と同じ仕事をしているのに(自分より仕事ができないのに)本土からの助っ人というだけで何で俺より給料が高いんだ?」と思っても、仕方がないと思います。

で、そうなってしまうと、結局はモチベーションもダダ下がりして続かなくなってしまいますよね。

決して県内で賃金が安いほうに入る業種ではないと思いますが(そのセンターでやっている業務の難易度にもよるが)同じ仕事量の本土からきた助っ人を比較対象として見てしまえば、決して自分たちの賃金が高いとも思えなくなるので「賃金が安い」という声も上がってくるんでしょうね。


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そして、これは沖縄に限らず全国のコールセンターに言えることですが、コールセンター内というのは正規雇用がほとんどいません。

ほとんどはアルバイトか派遣スタッフで、コールセンターの中に入ったことがない人が持つイメージは消費者金融のCMみたいにカチッと制服をきた女性社員が電話対応をしているイメージがあるかもしれませんが、実際はそんなことありません。(各センターではなく本社勤めの人はほとんどが正社員ですが…)

非正規雇用の人だからすぐに辞めてしまうというステレオタイプでは決してありませんが(長く続いている人もたくさんいますし)でも、何かあれば正規雇用の人よりもフットワークが軽い(縛りが少ない)のも事実だと思います。

だから、沖縄のセンターに限らず都内のセンターでも離職率は決して低くないですよね。他のデスクワークと比べたら随分と離職率が高いはずです。


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あとは、仕事に対する向上心が強い人ほどぶつかりやすい壁はモチベーションとキャリアパスが見出せないということかもしれませんね。

もちろん、センターの中でオペレーターとして頭角を現せば、現場リーダーとして登用されたり契約社員に登用されたりすることもありますが、どうしても業務内容の性質上、センター内での仕事というのは短調になってしまいがちで、登用されたとしても学校でいうところの学級委員とか生徒会になった程度の登用に感じるかもしれません。

最近では、コールセンター側もかなり気を使っているので本人のやり甲斐を引き出すために様々なキャリアパスを用意していたり工夫を凝らしているようですが、それでもコールセンターではない普通の会社で出世することと比べると、感覚がずいぶん違うというのは私も感じていました。

1オペレーターが現場リーダーに昇格しようが、毎日電話対応をしなければいけないことには変わりないので、その変わらぬ日々に焦りや不安を感じて他の世界へと羽ばたいて行く人は本当に多い業種です。


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ちなみに、学校というキーワードをさっき出しましたが、コールセンター独特のこの学校っぽい雰囲気が嫌でやめていく人も少なくありません。

コールセンターにはSVと呼ばれる中間管理層がほぼ必ずいます。(私は正規雇用だったのでこういった中間管理職でした)

オペレーターは何をするにもこのSVに許可を得なければいけないところがほとんどです。

トイレに行く時も、小休憩に行く時も、必ずSVに報告をしなければいけないセンターが数多くあります。

コールセンターはその日ごとの電話量や時間帯ごとの電話量など分析した上で人員配置しているので、各人のステータスを常に把握しておかなければいけないというのはわかりますが、オペレーターからすれば、たとえ数分のことでもいちいち報告しなければいけないのはなんだか授業中にトイレ行ってきますと先生に伝えるような気分になってしまうのではないでしょうか。

あとはSVからの周知がどうしても生徒に話をする先生のような口ぶりになったり、トークなどの指導をする時も学校の先生みたいな教え方になってしまったりはよくあることなんですが、オペレーター目線で見ればイラッとすることもきっとあるでしょう。

ある程度の期間、センターの中で働いている人にとっては、今回読んだ記事に書かれていた「クレーム対応でメンタル的に厳しい職場」ということ以上に、センター内のスクールカースト的な序列みたいなものの方が、ストレスだと感じているケースは決して少なくないと思います。


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一旦、話は沖縄のコールセンターにおける離職率に戻りますが、沖縄に1年間住んでいた中で感じたことはコールセンター以外でも離職率は高いということです。

沖縄は特に「男性よりも女性がしっかりしている」ケースがよくあり、女性はスッポンのように食らいついてでも最後までその仕事をやり抜くような人が多いのですが、対象的に男性は心が細い人がけっこういます。(もちろん全ての人ではありません)

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ちょっと仕事のことで注意されたりすると、翌日から連絡無しでこなくなってしまうなんてことがコールセンターでも頻繁にありましたが、他の業種においてもよくあることらしいです。

というわけで、決してコールセンターに限ったことではなく、特に男性は本土の感覚と比べると、そもそもの離職率がや高めなのではないかと思いますが、同時にコールセンターという職種自体も全国的に離職率が高い職種であるため、沖縄のコールセンターというのは相乗効果で離職率が目立ってしまうのかもしれないですね。


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そして、そもそもコールセンターの離職率が高い最大の要因というのは「その仕事を本当に好きでやっている人が少ない」これに尽きると思っています。

一生、電話対応をしていたいという人はやはり少ないです。コールセンターでオペレーターとして働く人の多くは、「時給がいいから」とか「シフトの幅が広いから」とか「服装の指定が緩いから」とか「体力仕事じゃなくて楽だから」ということがきっかけになっていることが多いです。

だから、会社の飲み会なんかでもビジネスをより良くしていきたいという前向きな話なんかより、電話対応における愚痴のほうが話題の中心になってしまいがちです。

やめたくなる要因として、給料のことやキャリアパスやスクールカーストっぽい序列のことを書いてみましたが、1番はやはり「本当にその仕事が好きなのか?」ということなのではないかと思います。

本当にその仕事が好きならそれでも続くはずです。実際に続いている人はなんだかんだ愚痴を言ってても、自分たちの仕事に熱意と誇りを持っていますしね。

コールセンター側も経験者をどうしても優先して採用するところが多いのですが(新人研修で1から電話応対まで教える必要がなくなりますし)でも、経験者ってどこかしらのセンターを既にやめている人ですからね。1度やめる人は2度も3度もやめても不思議ではありません。

もし、定着率を高めるということに今後着目したいのであれば経験よりも志望動機を重視した上で、コストはかかりますが「自分たちが1から育てるつもり」で足の長い採用計画を立てたほうがいいとは思います。

でも、コールセンター側もいろいろ大変でクライアントと締結したパフォーマンスをたたき出すことができなければ、すぐに他のベンダーに変えられてしまうという厳しい状況の中でやっていると思いますので、どうしてもモチベーションより既に備わっているスキルに目がいきがちになってしまいますし、それはそれで間違っていることではないと思います。


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結局のところ沖縄に限らず、コールセンターはこれからも常に「人の回転」と向き合っていかなければいけない業種なんでしょう(・・;)

最近のコールセンターでの取り組みを聞くと、私が在籍していた時代よりシステムもビジネスフローも進化している点が多々ありますが、「人がやめやすい」という環境面は相変わらず、今も昔もそのままですもんね〜。


私が沖縄に住んでいた時のことを書いている記事です(^^)
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これまでに記事で紹介してきた私が経験したお仕事シリーズ!

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でででーさん
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