カキタクナッタラ

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【お母さん必見】「学生家庭教師派遣の営業」についてテレアポテクニックから裏側まで大いに語る

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かつては家庭教師(の営業)をやっていたでででーさん(@d3_dayo)です!

このブログではこれまでに2つくらいちょっと風変わりな仕事?として「球場でのビール売り子」や「コールセンター」といった、かつて私が経験した仕事について紹介をしてきました。

題して「珍しいお仕事を丸裸にするシリーズ」ということで、今回も私がかつて(もう本当にけっこう昔の話です)経験した「家庭教師の営業」という仕事について、概要から裏側まで語っていきたいと思います。これまでに紹介する仕事の中では、これが最も風変わりなというか…まあ、実態を話すとちょっとな~という感じの内容になるかもしれません(^_^;)

そして、この話は非常に長くなりそうなので、記事は「前編」と「後編」に分けてお届けしたいと思います!

とりあえず、今回の記事では「家庭教師の仕事についての概要」から「テレアポに関する詳細」を語っていきます。そして後編では「学習アドバイザーという外勤営業について」や「リストの出処」などの諸々を裏側含めて大いに語ろうと思います。

さいしょに

昔と違って、固定電話というものがかなり減ったと認識していますし、今は個人情報の扱いについても大変厳しくなったので、小学校や中学校で連絡網として使用する名簿を配布することもなくなったと聞いていますが、今から15年前くらいまでは、まだ学校でクラス・学年全員、場合によっては学校全員の電話番号がわかる名簿を配布していたんですよね。

私が子供の頃には当然そういった名簿はあって、当時はまだ携帯電話も普及していなかったので、好きな子ができたらその名簿で電話番号を確認して、その子の家に電話したりしていたものです(仮に学年が違う相手でも名簿から簡単に電話番号は確認できるような状態でした)

で、20時くらいに電話をかけると、その子のお父さんがかなり怒り気味のテンションで電話に出て怒鳴られながら「◯◯子はもう寝たよ!お前、こんな時間に失礼だから二度とかけてくるな!」ガチャッ!なんて感じでよく切られたりしていました(^_^;)

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おっと、のっけから話が完全に脱線してしまいましたね(汗)


以前はそんな名簿がザル状態で出回っていたものですから、固定電話と小中学生のお子さんをお持ちのお母さん宛には、よく家庭教師の体験学習へのお誘い電話がかかってきませんでしたか??

私が学生時代からバイトとしてやっていたのが、その体験学習へのお誘い電話をかけてくる「家庭教師の営業」というお仕事でした。


家庭教師営業という仕事の流れ

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家庭教師派遣業を営んでいる会社によって微細なシステムにおける違いはあったのかもしれませんが、基本的には家庭教師営業という仕事の枠組みは最初にそれを始めた人のやり方をどこもかしこも踏襲していたようで、どの会社でもほぼ仕組みは(社内用語も含めて)同じだったようなので解説がしやすいのですが、まず家庭教師の営業が最初にすべきことはテレアポです。

体験学習という名目でアポをとる

冒頭でも書いた体験学習へのお誘いを名目にリストを使ってガンガン電話発信していきます。リストについては後編記事で細かく解説したいと思いますが、私がその仕事をやっていた頃は今のように個人情報への取扱が厳しい時代ではなかったので、既に子供がいる家庭だけがまとめられているリストを使っていましたし、その子の名前や年齢、そして兄弟の有無までわかるものでした。

なので、電話発信後の入り(オープニングトーク)はこんな感じになります。

お忙しいところすいません!私、◯◯◯のでででーと言います。今、W大学の学生が中心となって、お子さんのお勉強を見させてもらってるんですが、お子さんはもう塾に行かれてますよね~!?

もう、最初からその家に子供がいるという前提でオープニングトークも入っていました。たまにそのことに対して「なんで、うちに子供がいることを知っているんですか?」という至極当然な指摘をされるお母さんもいましたが、昔はそういうのにすごく甘い時代だったので、そういう指摘が入るケースというのは1/100くらいの割合くらいでしかなかったと思います。ちなみに、そういった指摘に対する返しはかなり強引なんですが「すいません!いま、実は当てずっぽうに下4桁の番号をひとつずつ変えて電話をしていまして~」というような感じでしたね(うわ~なんだかすごく悪徳な感じだし、それにローラー自体もダメだったような気もするんですが…どっちでしたっけ?)


さて、こんな感じでダイレクトにリスト掲載されている家庭に発信をしまくって、まずは体験学習の日程調整までこぎつけるのがテレアポ段階でのミッションです。その時点でお金の話は当然しませんし、ご家庭のお母さんもまさか体験学習のその日に契約の話をされるとは思いもしないでしょうが、この体験学習というのは結局のところは「訪問販売の機会を得るための大義名分」なんですね。アポインターの仕事はここまでで、ここより先は学習アドバイザーという、いわゆる外勤営業の出番となります。

体験学習当日に契約をとる

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テレアポによるアポがとれると、お約束の日に学習アドバイザーという体験学習という名の営業に特化した外勤営業がそのご家庭まで足を運びます。まずは簡単にその家のお母さんと現在の学習状況などに関する話をして(既にテレアポ段階でも聞き出していることではありますが掴みとして)その後に大体30分程度、実際にお子さんへ体験学習を実施します。とはいっても、30分で勉強なんて見れるわけないですから、お子さんと食いつきそうな話をして面白そうと思わせたところで終わりという感じなのですが…その後は「鉄は熱いうちに打て!」と言わんばかりにやる気を見せたお子さんを盾に当日契約までこぎつけてしまうと…なんか、文章にするとなかなかにえげつない感じがしますね。


ザックリと家庭教師の営業という仕事の概要を解説するとこんな感じです。さて、ここからは各項目について、より詳細を語っていきたいと思います。


テレアポに関する詳細

ここでは、テレアポについて「人の属性」や「給与体系」そして「営業テクニック」などについて語っていきたいと思います。まずはどんな人がテレアポをやっているのか?という話からです。

どんな人がやってる?

私が当時働いていたその会社の売りは「あえてプロ(社会人の)家庭教師は派遣せず、より子供の気持ちに近い学生、そしてWやK以上の大学入学という学歴を持つ学生のみを派遣する」ということでした。まあ、そういった会社の事業所は実際にそういった大学の近くに構えるのでアルバイトとしてくる人は本当にその大学に通っている人も一定数以上いましたが、必ずしも全員がそうというわけではありません。

ちなみに私はWやKといった大学の学生ではありませんでしたし、中には当時30歳くらいで役者をやっているといった学生とは無縁の人も「学生をかたってテレアポをしている」というのが実態でした…。ちなみに、実際契約が決まってからご家庭に派遣される学生は嘘偽りなくWやKといった大学の学生さんでしたけど…。

テレアポの給与体系

私が働いていた会社のテレアポバイトの最低時給は正直コンビニよりも安いものでした(確か当時の東京都最低賃金ギリギリの810円くらいだった憶えが…)ただ、営業成績によって時給変動があり、テレアポでとったアポが無事にオーダー(契約)まで至れば自分のポイントとして加算されて、そのポイントの獲得数を月末に締めて時給に翌月の時給に反映させるという仕組みだったので、稼げている人は時給2,500円くらいはもらっていたと記憶しています(ちなみに当時一番稼いでいた人はWやKといった大学の学生ではなく20歳くらいのフリーターさんでした)

というわけで、テレアポが上手でよくアポがとれて、かつオーダーまで結びつく人にとってはなかなかに美味しい仕事とも言えましたが、全くとれない人にとっては稼げないわ、電話の仕事なので精神的にくるわという感じで、メンバーの細々とした入れ替えは激しい職場でした(あまりにもとれないと会社側から切られてしまうということもザラにありました)

決裁者はお母さん

電話営業において決裁者(意思決定者)を知るということはとても重要です。例えば、BtoB(対法人営業)においてはヒアリング項目として重要視されるものとしてBANTという概念があります。BANTとは「Budget - 予算」「Authority - 決裁者」「Needs - 必要性」「Time frame - 導入時期」といった単語の頭文字を羅列した言葉ですが、要は営業活動をするにあたって今挙げた4つの情報は聴取することが望ましいと考えられています。このように、重要なヒアリング項目としても決裁者という概念は挙げられるわけですが…

さて、BtoC(対個人営業)においては基本的に決裁者は旦那さんであることが多いです。なので、例えばインターネット回線の電話営業で個人宅に発信をした際に、旦那さんが電話に出たとしても「奥様に代わってください」なんて絶対に言いませんが、家庭教師のテレアポは違います。

基本的に子供の勉強を把握しているのはお父さんではなくお母さんなんです。家庭教師のテレアポにおいては、旦那さんが電話に出たら「奥様に代わってください」と言うんです。まあ、大抵は営業だと気づかれて奥さんにも代わってもらえずに会話は終わってしまいますが(その場合は後日に時間帯を変えて再アタックします)仮に旦那さんとそのまま話したとしても、こと子供の勉強に関しては旦那さんは意思決定力を持とうとはしません!

結局、いい感じで話が進んだとしても、詰めにかかった時点で「家内に聞いてみないとわからない」や「勉強のことは家内に一任している」といった断り文句が出てきてしまいます。そのため、家庭教師のテレアポ(家庭教師だけではなく教育関係の発信営業全般ですが…)というのはかなり特殊なケースなんですが、ターゲット(意思決定者)は常に奥さんであると認識をして電話発信をすることになりますので、この記事は年頃のお子さんがいるお母さんに読んでもらいたいというペルソナ設定の下で書いています。


テレアポのテクニック

ここからは家庭教師のテレアポが「体験学習のお誘い電話」をする際に、実は巧妙に散りばめているテクニックを解説していきたいと思います。

私はその後の人生においてもIT系のインサイドセールスに従事したり、いわゆる電話発信の仕事に関わることというのがありましたが、実は後のインサイドセールス経験においても家庭教師のテレアポで培ったノウハウというのが自分にとっては基本中の基本としてかなり役立っていたりします。何はともあれ、家庭教師という商材は実態のない(形のない)ものなので、売るのはけっこう大変なんですよね。

当時働いていたこの会社は理論的に営業テクニックを教えてくれるような会社ではなかったので、当時はそれを理屈として、インサイドセールスにおける常に流用可能な基本であるという認識を持っていませんでしたが、後にこの会社で学んだことはどんな営業をやっても使えることだったと気付かされましたし、いま振り返れば、他の営業職と比べても何気に営業技術向上に向けた教育体制は手厚い会社だったと思います。


さて、テクニック全てを解説しようとすると、それだけで記事がいくつか書けてしまうので、今回は象徴的なテクニックだけをピックアップして解説しますが、最初に家庭教師のテレアポフローをイメージにするとこんな感じです。

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フロント突破

先ほど冒頭でオープニングトークの入り方はこうであると書きました。

お忙しいところすいません!私、◯◯◯のでででーと言います。今、W大学の学生が中心となって、お子さんのお勉強を見させてもらってるんですが、お子さんはもう塾に行かれてますよね~!?

全体としては砕けた印象(決してフォーマルではない印象)を受けたと思いますが、まず、これは意図してこのような話し方をするように教育をされます。理由は学生派遣を売りにしているため学生っぽさを出すこと(お母さんのことは「お母さん」と呼びますし、子供の名前がわかる時は「お子さん」ではなく「◯◯」くんや「◯◯」ちゃんと呼びますが、これも親密さをアピールするためです)

それから、アウトバウンド営業においては、最初の入りのことを「フロント」と言いますが、ある程度砕けているほうが相手も「お!これは営業電話だからすぐにでも切らなきゃ!」といった感じで構えずに、話を聞いてくれる確率が高まるという背景もあります。

家庭教師の営業というのはリストが青天井で存在はせず有限であるため、たとえばインターネット回線営業のようにハローページを参照してガンガン発信できるような営業とは違い、より高い確率でのフロント突破を求められます。そうしないとすぐにリストがなくなってしまうからです(1回断られたところであっても数ヶ月経ってから再度架電はしますが、さすがに直近では寝かすことになるのでリストは大事に使います)

逆にインターネット回線の営業といった対象がものすごく広いアウトバウンド営業においては、なるべく1件に費やす時間を絞って、とにかくコネクトできる(内容を聞いてくれる)お客さんを見つけること、いわば確率論的に考えれば試行回数を増やすことを求められます。

このような背景があるため、オープニングトークはだいぶ意図的にあえての砕けた話し方をしているんですよね。


そして太字にして記した「お子さんはもう塾に行かれてますよね~!?」という部分には、まずは「さも当たり前のように」塾へ行っているかを聞くことで、もしお子さんを未だ塾に行かせていないお母さんだったら焦りを煽るというところが狙いなんですね。

なぜ焦るのかというと…

「当たり前に塾へ行っているか聞いてくる」→「よその子はもうみんな塾に行っているのだろうか?」→「うちの子遅れていないか心配」

といった流れで潜在的な不安をあぶり出す効果が得られるようなんです。

そして、既に塾へ行っている家であれば「塾行ってます」という回答がきますが、それはそれでいいんです。家庭教師の付け入る領域ってどちらかと言えば既に塾へ通わせている家庭なんです。家庭教師は時間単価がけっこうお高いです。先生が学生であっても塾に比べれば高いので…

「既に塾へ通わせている」→「教育にかける予算がある」→「自分たちの潜在顧客である」

という判断をします。


ちなみに、このオープニングトークによるフロント突破の割合は平均すると10件に1件くらいですかね?ここが難しいところで、いくらリストを大事にすると言えども、あまりにもフロントを突破しすぎる人は時間効率が悪くなって営業成績が上がりませんし、平均値よりも著しく突破率が低いアポインターはオープニングトークに何らかの問題を抱えているということがわかったり、けっこうバランス感覚を求められます。

なので、上に書いた「オープニングトークの例」みたいな入りで電話がかかってきたら親密どころか失礼に感じる人もいると思うんです。少なくとも、私なら学生を名乗る者から突然あのような口調で電話がかかってきたら「失礼なやっちゃなー!」と気分を害すると思いますが、それはそれでいいんです。それに対して不快感を示す人=自分たちの潜在顧客ではないという篩いのかけ方でもあるんですね。

リストは大切にしつつも、無駄に脈がない人とは長話をしないためのテクニックという側面もあったようです。


そうそう、この点を書き忘れていました。なんで「お子さんはもう塾に行かれてますよね~!?」という風に「よね~!?」調なのかというと、もしもこれが「お子さんはもう塾に行かれてますか!?」といった口調になると、完全なるクローズドクエスチョン(相手がハイかイイエで答えられる質問)になるわけですが、このタイミングでこのようなクローズドクエスチョンを入れてしまうと、ほぼ確実に質問への回答ではなく「ウチはけっこうです!」という回答が返ってきてしまうんですね。なので、聞き方は「か!?」ではなく「よね~!?」を徹底するように、これも最初に教育されることでした。

mayonez.jp

Yes→But法

さて、あとは「Yes→But」という手法を使うことを徹底させられます。これは応酬話法と呼ばれる営業ではよく使われるテクニックのひとつで初歩的な話法とも言えますが、要は「まず肯定してからカウンターをする」ということですね。

careerpark.jp


例えば、このような質問をしたとします。

お子さん、もう塾に行かれているということですが、やっぱりこの先はさらに勉強も難しくなってくるので家庭教師への切り替えなんかも考えられてますよね~!?

それに対してお母さんがこのように返したとします。

「まあ、これから勉強が難しくなってくるのは心配ですけど…うちはそんなにお金もないし、既に塾へは行っているので家庭教師とかはひとまず考えずにしばらく様子見ようと思ってます~」


さて、もし、この回答に対して以下のように返してしまうと、人は「自分の考えを否定された」と認識し、気分を害してしまいます。

いやいや!お母さん!それは違いますよ!僕なんかお子さんの年の頃には塾と家庭教師を併用してましたから!今からやらないと絶対にダメなんです!

うん、もうこれで破談は間違いなく決定ですね(笑)

そうならないように、この「Yes→But」という手法を使いつつ、切り返しをしていくことを家庭教師のアポインターは求められています。

そうですよね~~!お母さんも一生懸命お子さんのこと考えられて既に早いタイミングで塾にも通わせていますし、何よりお子さん本当に頑張ってますよね~!!!

でも、実は今って昔と違って、どこの家でもお子さんの年齢になると塾に通わせるのが当たり前になっちゃったんですよね。なので、最近はこのくらいの年から家庭教師に切り替えるというケースが大変増えてるんですよ!最初はみんな「家庭教師」なんてって言っていたお母さんばかりなんですが、でも実際に家庭教師ってやってみると効果があるから「皆さん」最終的には家庭教師一本に切り替えてるんですよね!

大体こんな感じでしょうか。最初は「塾に行かせて様子を見ている」という現状を褒め称え肯定します。特に、親というものは自分よりも子供を褒められた方が潜在的に気分が良くなるので「お子さん本当に頑張ってますよね~!!!」というフレーズも入れることを会社から徹底されます。

ちなみに、このフレーズにはお母さんの気分を良くさせる効果だけじゃなくて、もし「実は子供が勉強を頑張れていない」という不安を抱えているお母さんの場合、けっこうこのタイミングで「いや、実はね、うちの子はそうでもないんですよ~塾は一応行ってるけど話聞いてないって先生にも指摘されちゃってるし~」とか、本音を語りだすこともあります。

そして、太字で記した部分からがいわゆる「But」の部分ですね。こうやって気分を害さないように一度はしっかり持ち上げておいてから、自分たちの任務であるアポ獲得のために切り返すことを家庭教師のアポインターは徹底するよう教育されているのです。

まずはお母さんと仲良くなる

ここまで書いてきた「フロント突破」や「Yes→But」という段取りで何を果たしたいかと言えば、それは「お母さんと仲良くなりつつグイグイ切り込んでいく」ということです。これは家庭教師の営業に限らず、どのような営業においても基本のひとつとして語られることですが「まずはお客さんと仲良くなること」非常に大事とされています(あえてビジネスライクに切り込むアプローチもありますが。)

家庭教師の営業においては、他の商材に関する営業職に携わった時よりもこの点を重要視されました。例えば、インターネット回線のように乗り換えれば月~円維持費が安くなるといった明確なメリットが見い出せない商材である分、やはり子供の未来へ対する一か八かの投資という不確定な要素が強いんですね。なので、やるもやらないも相手の心象次第という色が目に見えるメリットを列挙することができる商材よりもひと際強いというのが背景にあります。

だから、まずは仲良くなるために「砕けた口調」で、そして「肯定すること」で気分を害さず、でも訴求したいことは訴求して、お母さんとのラポール(信頼関係)をいち早く構築することを家庭教師のテレアポは常に意識しながら電話をかけてきます。ちょっと嫌な言葉ですが、あの業界ではこれを「お母さんを落とす」と呼んでいました。

体験談を交えた訴求

世界的に有名なIT企業のA社も自社のカスタマーサポートにおいては3Aと呼ばれる「認識(Acknowledge)・同調(Align)・安心(Acknowledge)」という話し方のテクニックを電話応対に盛り込んでいるそうです。特に同調(Align)部分においては、例えばこのように…

個人的な話になりますが、私も以前にお客様同様◯◯が壊れてしまった時期がありまして~その時期はあらゆる仕事が滞り、今でもトラウマになるほどなのでお客様の気持は痛いほどよくわかります~。やっぱり◯◯が壊れてしまうと大変ご不便ですよね?

といった体験談を交えた話口調でユーザーに同調するそうです。


家庭教師の営業も同じように体験談を交えた話し方というのを常用してきます。例えばこんな風に体験談を交えて家庭教師を訴求します。


子供には勉強以外もいろいろ挑戦してほしいからと「家庭教師」には後ろ向きなお母さんに対して


そうですよね!今はゆとり教育も終わって、学校にいる時間が昔のように長くなりましたし、そんな中で学校も塾も◯◯君は本当に頑張ってますから、遊ばせてあげたいという気持ちはありますよね!お母さん、本当に◯◯君思いで素晴らしいですね!

実は、僕が小学生だった時もうちの親は比較的自由に「勉強勉強!」言わない親だったので、正直、◯◯君と同じ年齢の頃は毎日外が暗くなるまで野球ばかりやっていたんですよね!おかげで友達もたくさんできたし、野球というものが自信になって、その他のことに対しても積極的に取り組めるようになったんですが…

でも!気づいた頃には成績が周りと比べて著しく落ち込んでて、僕の時はたまたまその後に出会った家庭教師の先生がすごく親身になって教えてくれたことで、一応W大学に入ることができましたが…

僕、◯◯君には同じような辛い思いをしてほしくないんですよ!僕自身、成績が下がったところから立て直すのは非常に大変でしたが、だから僕はあの時、自分の家庭教師だった◯◯先生のように現在は家庭教師をやって、少しでも多くのお子さんが僕と同じような辛い思いをしなければいいなという想いでこうやって電話してるんですよ(^^)

「ゆとり教育」のくだりは、私が当時この仕事をやっていた頃にはなかったのでアドリブですが、でも大体こんな感じで全アポインターが体験談を交えながら(そして超良い人ぶりながら)家庭教師を訴求してくるのです。

クロージング

クロージングとは営業用語で、要は「やりませんか?」という最終的な意思確認をすることです。まあ、どのような営業においてもクロージングで「~しませんか?」といった聞き方は100%してきません。結局、ここでクローズドクエスチョンを入れてしまうと断られてしまうので「ぜひ、まずは無料期間で利便性を体験してみてください。(間髪入れず)それではお申込みの手続きになりますが~」というような感じで、クロージングはどの業種においてもなかなかに強引なものです。

家庭教師の営業においてもクロージングの流れというのは例に漏れず強引で(さりげなく強引)クロージングまでのトークにおいて「子供が週何回習い事をしているのか?」や「お母さんと子供が一緒に在宅している曜日と時間帯」など、クロージングに必要な情報を実は全て聞き出してメモしているので、あるタイミングまで到達すると間髪入れずに「じゃあ、まずは一度31日の15時に伺いますよ!」というような切り口で突然クロージングしてきます。

もちろん、これでいきなりOKという人は少ないので…そうしたら、また体験談を交えた訴求に戻り、またタイミングの良さそうなところで2発目・3発目のクロージングをぶっこんできます。基本的にアポインターは「3回断られるまではクロージングを再試行しろ」と教育されているので、1度や2度断られたくらいじゃ引き下がりません(そこで引き下がるアポインターは優秀じゃないアポインターと言われています)

クロージングとは、このような感じで間髪入れず、しかもお母さん側に日程調整は委ねない切り口で入れてきます。なので、こういった電話に対応する時は最終的な仕掛け以前に自分の情報を相手は全て取得しようとしていることを認識した上で取り合ったほうが良さそうです。


おわりに

ここまでで既に10,000文字オーバーと非常に冗長な記事になってきたので、今回はここで一旦切りたいと思いますが、後編では続きとして「アポ獲得後の体験学習詳細(学習アドバイザーという名の外勤営業出動とその手法)」「当時出回っていたリストの詳細」などについて、引き続き裏側も大いに含めた内容を語っていきたいと思います!

とりあえず今回のまとめとして、もしも今でもこのようなテレアポがあるとしたら…特にお母さん!頭の片隅に入れておいたほうが良いということは「たとえWやKやT大を名乗って架けてきても本当かどうかはわからない」ことや「アルバイトといえども、なかなか電話営業の強者として教育されている人からの架電」であることですかね。

相手はほにゃらら大学の学生をかたる実はプロの電話営業かもしれません。もちろん、本当にそういった大学で学生をやっていて、現場でしっかり家庭教師をやっている学生から掛かってくる電話というのも当時はありました。なので、そこが判別難しいところなんですけどね…(-_-;)

うーーーん、それにしても、10年以上経って改めてこうやって記事を書きながら思うことは…「なんて胡散臭いんだ!」ということです(苦笑)まあ、実際に契約してからご家庭に派遣されるのは正規のWやKの大学生ですし、実際それによって効果があって志望していた学校に無事入学できたというケースはしっかりありましたけど、でも、優秀な学校の学生だから教えるのが上手いかと言えば全くの別問題ですしね。

当時もそう感じたので、結局は私もこの業種は長続きはせずに、単に学生バイトとして始めたというのがきっかけでしたし、しばらくして他の商材を売る営業に転向しちゃったんですけどね(この家庭教師の営業は実際にやる前はもっと嘘偽りないものだと信じて疑わなかったんですが…でも、とても良い経験にはなりました!^^;)

あれから時が経って、今や電話はスマホが主流となり、個人情報保護法も制定されて情報に対する捉え方も厳しい世の中になったので、今はもうこの方式ではなかなか営業できないとは思うんですが…現在もまんまこういうのがあるのかどうか、私は子供がいないからわからないんですよねΣ(´∀`;)


ではでは、次の後編もどうぞお楽しみください!


後編の学習アドバイザーについて裏側まで大いに語っている記事はこちら!

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でででーさん
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