コールセンター

コールセンターで実施している満足度調査のデメリット・暗黒面(ダークサイド)

投稿日: 更新日: 2017年12月13日

久しぶりにコールセンターネタでも書こうかなと思った元コールセンターベンダー社員のでででーさん(@d3_dayo) です!

 
以前にこのブログでコールセンターにおける満足度調査という取り組みについて概要から裏側までを紹介しました。
 
コールセンターは運営している会社によってはユーザーへの満足度調査でオペレーター品質を管理している話 | カキタクナッタラ
最初に書いておくと、個人的な意見としては満足度調査という取り組み自体は大賛成でコールセンターという業種に限らず、取り入れたほうが良いものだと思っています。
 
やはり内的な評価だけだと正確性に疑問がどうしても生じます。身内が求めているものとユーザーが求めているものは確実に違う、でもサービスというのはユーザーに対して提供するものなので、どちらの目線をより重視しなければいけないかといえばユーザー目線であるべきですから、ユーザーが自分たちのサービスや応対に対してどう感じているのか?は、客観的な情報として知っておくべきだと私は思っています。
 
その点で満足度調査という取り組みは非常に良いものだと思っています。自分たちの状況を内外の目から冷静に見つめ直すことができる。この記事で書きたいことは満足度調査自体がダメだということではなく、満足度調査というシステムに心を寄せすぎることで生じてしまう負の面を、私が実際に現場で見てきたケースを基にして書いていこうと思います。
 
 

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満足度調査の対象に入らない対応は手を抜きすぎてしまうケース

理想はもちろん「相手の足元を見て対応を変えるような真似はしないこと」です。それが真のプロフェッショナルだと思うし、自分自身に対しても常に頭の中で言い聞かせていることですが、人の性なのか?これはこれで相当に難しいことだということも理解はしています。
 
スポーツ選手だって試合と練習試合では力の入れ具合は違うと思いますし、長いシーズンを乗り越えていくために、また目一杯の仕上げで本番を迎えるためには必要な調整であることもわかります。それと同様に、原則週5日8時間以上の激務をこなすオフィスワーカーにおけるエナジーマネジメントという観点から、全てのユーザーに対してメイチ(目一杯)で対応することは難しいという実態も理解できます。
 
ただ、満足度調査という取り組みを採用しているセンターで散見されるのは、全てが満足度調査の結果で決まってしまうマイナスの要素として満足度調査に絡まない応対とわかった途端に、とんでもなく適当な応対をする人がいるということです。
 
冒頭で身内の求めるものとユーザーの求めるものは違うということを書きました。システムの問題でユーザーがどう感じているのかを把握できないケース、即ち満足度調査の対象に入らないケースにおいては、それこそ身内の厳しい目でもってサービスレベルを維持する必要があるはずなんですが、満足度調査を取り入れている組織にありがちなのは「満足度調査の結果至上主義」
 
それさえできていれば、たとえ満足度調査に絡まないケースではかなりいい加減な対応をしていることを認識していても、上も目を瞑るということは往々にしてあります。
 
 

具体的にどう手を抜くのか?

満足度調査の結果など「指標」を重視するコールセンターの多くは、もちろん純粋に満足度調査の結果のみが評価として見られているわけではなく、たとえば対応件数・対応時間や対応後の後処理時間(対応履歴を書いたりする時間)なども数値化され評価されます。数値化できないのはマインド、その人の就労意識くらいでしょうか?基本的に電話対応に関連した行動は全て数値化した上で管理されます。
 

切れたフリをして電話を切る輩

満足度調査に絡まないケースで手を抜く人は具体的にどういう行動をしているかというと、ひどいケースでは「電話が事故で切れたフリをして実は切電ボタンを押して電話を切ってしまう」ケースです。
 
今時のコールセンターでは、物理的な電話機で電話を取るのではなく、PC上に立ち上げたシステムで電話を取ったり保留をしたりするものがありますが、こういったセンターではこの不正は難しいと思います。なぜならば、自分から電話を切ったとかもソフトウェアなので全てログがとれますからね。
 
しかし物理的な電話機を使っているセンター、或いは物理的な電話機と受電システムを並行使用しているセンターでは、けっこう物理電話機の切電ボタンを押す輩がいたりします。
 
ちなみに、物理電話機と受電システムを並行使用しているセンターは未だに多いと思います。理由としては受電システムだけだと機能を集約しているサーバーに何らかの障害があった時に、まるっとセンターの機能が失われてしまうからです。
 
さて、なぜ電話を切る輩がいるのかというと、それは対応件数や対応時間も評価指標となっていることによる弊害です。
 
例えば目標値として1件あたりの平均対応時間を10分以内に抑えろという指示が出ている場合、1件目で18分くらいかかってしまうとかなり苦しい展開になるわけですが、でも2件目の入電で不慮の事故を装い、入電直後に電話を切ってしまえば2件で18分、つまり1件あたり9分の対応時間ということになります。
 
あと補足として、切った電話は当然再度入電があるわけなんですが、オペレーターの数が多いセンターではそうそう同じ人に再度つながることはありません。つまり、次に電話を取った人はその分まで割を食うことになります。
 
正直な話、コールセンターの中には一定数…こういった不正行為を働く輩はいます。もちろん、満足度調査という取り組みをしていないセンターの中にもいますが、満足度調査をしているセンターのほうがそれでも許されてしまう(黙認されてしまう・アンタッチャブルなところにいる)ケースは多いと思います。
 
なぜならば、そういう輩に限って要領はいいので満足度調査の結果はよかったりするんです。だから「満足度調査の結果至上主義」の世界だとなかなか不正を突くことができない、それでも結果を出している人間が偉いという風潮になってしまう場合があります。これはNoと言えない上長・運営側の責任は重大だと思いますけどね。
 


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露骨に応対の品質・精度が悪くなる輩

こっちのほうが多いですね。そして、本当は良くないことだけど…好意的に表現すれば「満足度調査の対象から外れて気が抜けた状態」とも言えるのである程度は仕方ない、理解してあげられる面ではあるんですが、やはり限度はありますよね。
 
満足度調査に絡む対応ではすごく好印象な対応をするのに、絡まない対応ではタメ息をついたり適当な回答をするオペレーターというのも一定数いるというのが実態です。
 
基本的には満足度調査をしていても・していなくても、そういったことがないようにコールセンターでは応対を録音しているんですが、稀に録音していない席やセンターもあったり、何か問題が生じないと録音を聞き返さないセンターもあるので、そういったところではこういう対応がまかり通ってしまう場合があります。
 
 

満足度調査の対象にならないケース

センター・委託元のポリシーによって様々なんですが、まず満足度調査の対象になるケースは、例えばメールアドレスを登録している全てのユーザーに対応が終わったら自動でアンケートメールが飛ぶパターン、満足度調査の専門部隊からランダムに電話やメールでアンケートをよこすパターンなど様々です。
 
逆に言えばメールアドレスを登録していないユーザーにはアンケートメールが飛ばない仕組みになっていたり、それからコールセンターのシステムに障害が発生している時にあった入電に対してはアンケートを飛ばさないといったルールを設けているセンターもあったり対象にならないケースも様々あるんですが、要領の良いオペレーターはそういうのを熟知しているわけですね。
 
 

まとめ

ここまで考えのままに大して読み返しもせずにツラツラと書いてきましたが、なんとなく満足度調査自体が悪者になると良くないので最後に念を押しておきたいと思います。
 
私は満足度調査という仕組み自体は非常に良いものだと思っており、ぜひ取り入れていない組織は取り入れるべきだと思っています。満足度調査によって、これまでは自分たちの妄想でしかなかったものが数値として、またユーザーからの声として客観的にわかるようになります。
 
ただ、冒頭で重視すべきは身内の目線よりもユーザーの目線と書きましたが、バランス感覚が非常に大事だとも思っていて、満足度調査の結果だけでは当然推し量ることができない、内側からしか見ることができない個々の「マインド」をしっかり内側から見て評価に加えていくことも大事なことだと思うのです。
 
上に挙げた手を抜くケースというのは満足度調査のないセンターでも一定数あることです。コールセンターに電話をかけるユーザー目線からはそのように感じないかもしれませんが、残念ながら極めてマインドの低い人というのも当然います。これはコールセンターに限らず、サービス業全般に言えることだと思いますが…。
 
一番やばいのは「満足度調査の結果至上主義」において、そういうマインドの低い人が結果だけはよかったりするとアンタッチャブルになってしまうという風潮、これは間違いなく本末転倒だと思うのです。
 
満足度調査の対象になる人だけがユーザーではありませんから、満足度調査の対象にならない(評価に影響がない)対応だからといって適当というか、いい加減な対応をしている人を野放しにしてしまえば、必ず委託元に名前に傷がつきます。
 
もちろん、品質管理がしっかりしているセンターでは満足度調査の有無は関係なく、こういったことはありません。不正やいい加減な対応をすれば必ず本人に罰は返ってくるようになっています。
 
そして重ねて書きますが、満足度調査自体には全く問題はないのです。
 
しかし、満足度調査を取り入れている組織はそのシステムの不備に目を向けてそれだけが絶対的な全てにならないよう、それによって逆に手が届かなくならないよう、内外の目をバランス良く向けていかなければいけないということでしょうか。
 
調査の結果が必ずしも、その人の「心」自体を反映しているわけではありませんから。

でででーさん
2017年2月21日はてなブログでカキタクナッタラ開設。2017年10月22日にWordPressへ移行しました。基本的に毎日更新。ウェブ・スマホなどIT関連のネタをメインにラーメンのことや雑談記事など幅広く書きます。たまに変なイラストを描いたりウェブ制作をすることもあります。
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